新入社員研修に、講師として招かれると必ず「最初の給料だけは、長年育てて下さった、ご両親のために使って下さい」と話をします。
すると、新入社員の女性が「ご両親に、夕食をご馳走しよう」とフランス料理の高級レストランを予約しました。
ところが当日、仕事の都合で、少し遅れて、レストランに着くと、お父さんは、顔を見るなり「人を食事に誘っておいて、待たせるとは何事だ」と娘を叱り、その上、食事が始まると「お前なあ、20年間育ててもらった恩を、1回の食事で済ませようと思うなよ」とか、料理を出されるたびに「なぜこんなものを注文したんだ」などと、嫌味を言ったそうです。
そんな時ふと、お父さんの手を見ると、しわだらけの手に、セメントのクズがこびり付いていました。お父さんは、建設会社の現場監督です。
「この手で私を20年間育ててくれたんだなあ」と思ったら、何も言えなくて、今日1日だけは、何を言われても我慢しようと決めました。それでも、お父さんは嫌味を言い続けました。
家に帰って、お風呂に入りながら「お父さんなんか、2度と、食事に誘わない!」と思いました。風呂から上がって、茶の間の前を通りかかると、中から、お母さんとお父さんの会話が聞こえてきました。お母さんが、お父さんに「今日の夕食、おいしかったね」と尋ねると、お父さんが「おれ、人生48四十八年、生きてきたけど、今日くらいうまい晩御飯、食べたことなかったなあ」と答えたとたん、その新入社員の女性は、涙が止まらなくて、フトンに入り、思いっきり泣いたそうです。
県庁の新入職員にも「最初の給料くらいは、ぜひ、ご両親のために!」と指導されて如何でしょうか。