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「入試に失敗した生徒からの手紙」

私はかつて学習塾の講師をしていましたが、毎年、3月のこの時期になると、高校入試のことで、胃が痛い毎日でした。必ず、受験に失敗する生徒がいます。皆さまの中にも、辛い思いをされた方も、おられるかもしれません。授業料の安い県立高校へ進学させたい、との期待を持っている親も多く、子どもたちにとっては、そのことが、大きなプレシャーとなっています。以前、受験に失敗した女の子から頂いた手紙を紹介します。私が手紙を出して一週間後に届いた返事です。
『先日はお手紙どうもありがとうございました。受験結果のことを、電話で報告しなければいけないのに、しなくて申しわけありませんでした。やっぱり駄目でした。自分でも駄目だと、半分わかっていても、心のすみで「もしかしたら」という気持ちがありました。その気持ちが半分あったため、ショックが大きいように思えます。
先生からお守りを頂き、数学や理科など、毎日のように忙しい中、教えてもらったのに、このような結果で、本当に申し訳ありません。私は今まで世の中を、本当に甘く見ていたのだと思います。今回の結果は悪いほうにでましたが、私は良い経験をしたと思います。もし、ギリギリ受かっていたら、私はまた同じことを繰り返し、努力することを知らない人間になっていたと思います。だから今、私はちょっと悲しいけれど、落ちて良かったと思っています。これからも、悲しいことがいっぱいあると思います。そのときは先生のところに行きますので、相談に乗って下さい。それではお体に気をつけて。さようなら。』
合格発表から、たった1週間で、こんな手紙を書けるのかなあと、心から感動しました。それから3年後、彼女が突然、塾に来ました。あらたまった顔をして「私、短大の保育科に合格しました」と言ったとたん、彼女は泣き出してしまいました。そして「私、今日が来るのを3年間待っていました。高校入試のとき、合格したら、真っ先に報告に来ようと思っていたけど、不合格で、来れなかったから、大学入試だけはと思い、頑張りました」と言ったとき、側にいた家内は泣いていました。その後、短大に行って、彼女の受験番号の前で、記念写真を撮りました。大学から我が家まで、約5キロの道のりをどんな思いで、自転車を漕ぎながら来たのかと思うと、涙が出てきます。
塾の講師として、陽のあたらない役割を演じた子どもたちから、たくさんのことを学ばせて頂きました。

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2007年09月23日 02:50に投稿されたエントリーのページです。

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